揉み潰す
もみつぶす
動詞
標準
文例 · 用例
手を入れたら虱を揉み潰すくらいが取柄だ。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
サア、さっそくこれから黒死館に行って、クリヴォフの|肉附けをやろうじゃないか」と法水が喫いさしを灰皿の上で揉み潰すと、検事は少女のように顔を紅くして、法水に云った。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
しかし、二人の過去のいきさつなど知らぬ老人の久木男爵だけは、底流している一座の苦さにはまだ気附かぬ様子で、却って、真面目な議論の対象をいつも揉み潰す由吉に多少反感を覚えたらしく、矢代の方を向き直った。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
弓鉄砲まで担ぎ出し、二段三段に備えを立て、揉みに揉んで揉み潰す、ワッワッという鬨の声!
— 国枝史郎 『任侠二刀流』 青空文庫
それは自分の存在を思い出させるような形だったが、しかしその出現によって、淫蕩を揉み潰すのではなかった。
— ЗАПИСКИ ИЗ ПОДПОЛЬЯ 『地下生活者の手記』 青空文庫
がらがらと何かのむざんに崩壊する音が聞えるようだ、すべてを押し倒し揉み潰す雪崩のように、なにもかもを志保の手から※ぎ去ってゆく、――だが狼狽してはならない、こうなることはわかっていた、真実をたしかめるためにはいつでも多少の犠牲は必要なのだ、みぐるしいふるまいをしてはならない。
— 山本周五郎 『菊屋敷』 青空文庫
――そのうちに、鳴海の変が伝わって、今川家が起てば、初志のとおり一挙に織田を揉み潰すことは、そう至難ではない」 と、いうにあった。
— 第二分冊 『新書太閤記』 青空文庫
その巨大な縦隊にたくみに喰い込む楔を打ちこんでそれを裂き、小さく分けてそれを打敗る才覚がなく――薊をもみつぶすように手荒くあつかおうとばかり考えているのである。
— WALDEN, OR LIFE IN THE WOODS 『森の生活――ウォールデン――』 青空文庫