迸発
迸発
名詞
標準
文例 · 用例
然れども賽児の徒、初より大志ありしにはあらず、官吏の苛虐するところとなって而して後爆裂|迸発して※を揚げしのみ。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
燕王|覬覦の情無き能わざりしと雖も、道衍の扇を鼓して火を煽るにあらざれば、燕王|未だ必ずしも毒烟猛々、蕩々、糾々、昂々として、屈す可からず、撓む可からず、消す可からず、抑う可からざる者、燕王に遇うに当って、※然として破裂し、爆然として迸発せるものというべき耶、非耶。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
秀吉、家康は勿論の事、政宗にせよ、氏郷にせよ、少し前の謙信にせよ、信玄にせよ、天下麻の如くに乱れて、馬烟や鬨の声、金鼓の乱調子、焔硝の香、鉄と火の世の中に生れて来た勝れた魂魄はナマヌルな魂魄では無い、皆いずれも火の玉だましいだ、炎々烈々として已むに已まれぬ猛※を噴き出し白光を迸発させているのだ。
— 幸田露伴 『蒲生氏郷』 青空文庫
低く発りて物に遮られたれば、何の火とも弁へ難くて、その迸発の朱く烟れる中に、母家と土蔵との影は朧に顕るるともなく奪はれて、瞬くばかりに消失せしは、風の強きに吹敷れたるなり。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
私は両性の触るるところ、抱擁するところそこにわれらの全身を麻痺せしめるほどの価値と意義とが金色の光をなして迸発するに相違ないと思った。
— 倉田百三 『愛と認識との出発』 青空文庫
哲学と芸術と宗教とを打して一団となせる焔の迸発である。
— 倉田百三 『愛と認識との出発』 青空文庫
その講ずる所の迂濶にして乾燥なるは固より、二者の間において、情緒の感応し、同情の迸発する甚だ難し。
— 徳富蘇峰 『吉田松陰』 青空文庫
この花崗岩の山塊は、甲府盆地を中に向い合っている駒ヶ岳山塊と余り隔たらぬ時期に迸発したものであろう。
— 木暮理太郎 『秩父の奥山』 青空文庫