御遊
ぎょゆう
名詞
標準
music playing in imperial court
文例 · 用例
――「当修善寺から、口野浜、多比の浦、江の浦、獅子浜、馬込崎と、駿河湾を千本の松原へ向って、富士御遊覧で、それが自動車と来た日には、どんな、大金持ちだって、……何、あなた、それまでの贅沢でございますよ。
— 泉鏡花 『半島一奇抄』 青空文庫
本当に、この毎年の二所詣は、将軍家の深い御敬神のお心から取行はせられたとは言へ、滅多に遠く御他出などなさらなかつた将軍家にとつては、これが唯一のお気晴しの御遊山であつたのかも知れませぬ。
— 太宰治 『右大臣実朝』 青空文庫
真個に佳い御堂ですね、」「折々|御遊歩においで下さい。
— 泉鏡花 『春昼』 青空文庫
ははは、そこでございますから、自然、貴下がたには、仏教、即ち偶像教でないように思召しが願いたい、御像の方は、高尚な美術品を御覧になるように、と存じて、つい御遊歩などと申すような次第でございますよ。
— 泉鏡花 『春昼』 青空文庫
その恋々相愛の、手に肩、肩に頬を寄せて、私たちの見る眼も憚らぬ御遊歩である。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
千ちゃん、何だってお前様、殿様のお城か、内のお邸かという家の若御新造が、この間の御遊山から、直ぐにどこへいらっしゃったかお帰りがない、お行方が知れないというのじゃアありませんか。
— 泉鏡花 『清心庵』 青空文庫
御遊山を遊ばした時のお伴のなかに、内々|清心庵にいらっしゃることを突留めて、知ったものがあって、先にもう旦那様に申しあげて、あら立ててはお家の瑕瑾というので、そっとこれまでにお使が何遍も立ったというじゃアありませんか。
— 泉鏡花 『清心庵』 青空文庫
清涼殿の音楽の御遊びの時、ほかは皆男の殿上役人の中へも加えられて琵琶の役をするほどの名手であったから、それが恋に悩みながら弾く絃の音には源氏の心を打つものがあった。
— 紅葉賀 『源氏物語』 青空文庫