触着
ふれぎ
名詞
標準
文例 · 用例
もしそれこれを憶うていよいよ感じ、瞑想(めいそう)静思の極にいたればわれ実に一呼吸の機微に万有の生命と触着するを感じたりき もしこの事、単にわが空漠たる信念なりとするも、わが心この世の苦悩にもがき暗憺たる日夜を送る時に当たりて、われいかにしばしば汝に振り向きたるよ、ああワイの流!
— 国木田独歩 『小春』 青空文庫
則ち自然その者は到底現世の義理人情に触着せずには終らぬ。
— 田山花袋 『重右衛門の最後』 青空文庫
絶えずその色を鮮かにし、その調子をユニツクにし、その心を流動させるために、そのためにのみ実人生、実生活に向つて絶えず密接な触着を試みてゐるのである。
— 田山録弥 『手品』 青空文庫
しかしてそのあるいはこれを激するや天狗地に堕ちて声、雷のごとき虚無党の爆裂弾となり、等閑に触着すれば火星を飛ばす社会党の猛烈手段となり、ほとんど人をしてそのゆえんを端倪すべからざらしむるのありさまとなれり。
— 徳富蘇峰 『将来の日本』 青空文庫
しかして今日の欧州においては過去の欧州と現今の欧州とつねに相争い、その新旧二分子の不調和にしてややもすれば相触着し、相格闘するゆえんのものは職としてこれによるなり。
— 徳富蘇峰 『将来の日本』 青空文庫
これを要するに今日のわが国は実に新旧日本の戦場にして政治・宗教・文学・教育・学問・生活・感情・思想のうえに至るまで一としてその触着あらざるはなく、これを一国のうえにおいて観察するも、一国の戦争はつねに新旧二主義の戦争なり。
— 徳富蘇峰 『将来の日本』 青空文庫
外国と触着し来りて、始めてこの観念は発揮するものなり。
— 徳富蘇峰 『吉田松陰』 青空文庫
一たび物に触着すれば、轟然として火星を飛ばす。
— 徳富蘇峰 『吉田松陰』 青空文庫