鎧下
よろいした
名詞
標準
文例 · 用例
鎧を着るには、鎧下と云って、錦や練絹などで出来ているものを被る。
— 幸田露伴 『蒲生氏郷』 青空文庫
中にも氏郷が小小姓名古屋山三郎、生年十五歳、天下に名を得た若者だったが、白綾に紅裏打ったる鎧下、色々糸縅の鎧、小梨打の冑、猩々緋の陣羽織して、手鑓提げ、城内に駈入り鑓を合せ、目覚ましく働きて好き首を取ったのは、猛きばかりが生命の武者共にも嘆賞の眼を見張らさせた。
— 幸田露伴 『蒲生氏郷』 青空文庫
あとに続く者はみな甲冑であるが、これも鎧下はみな白いし、兜の眼庇から白い布が、顔を隠すように垂れていた。
— 山本周五郎 『山彦乙女』 青空文庫
武者たちはみな、白の鎧下を着、兜の目庇から、白い布を垂れている。
— 山本周五郎 『山彦乙女』 青空文庫
「おお千坂の若か、ようみえたな」 備後為元は白いもののみえはじめた髭を食いそらしながら、すでに鎧下を着けて、大股に客間へはいって来た。
— 山本周五郎 『城を守る者』 青空文庫
そして、その雫や顔じゅうの汗を、鎧下着の袖で横にこすった。
— 吉川英治 『平の将門』 青空文庫
とにかく、ここでは、革、草摺り、旗差物、幕の裁縫、鎧下着、あるいはこまかいつづれ錦、そのほか武人の衣裳につく物や、陣具の類をつくるものばかりが棲み、そして、それがみなかわいい少女の手に製作されていた。
— 吉川英治 『神州天馬侠』 青空文庫
義元は、うなずきつつ、近習沢田長門守に兜をあずけ、小姓頭|島田左京に具足を解かせ、絞るような汗になった鎧下の真っ白な肌着を着かえていた。
— 第二分冊 『新書太閤記』 青空文庫