焼棒
しょうぼう
名詞
標準
文例 · 用例
むこうから見ると、あの太い焼棒くいと、こっちの鉄の扉との間だったから、どうしてもこのへんにちがいないと思うわ」「でも、見つからないね、まさか消えてしまうはずもなし、どうしたのかしらん」 二人は、ふしぎに思って、そこらをさがしまわった。
— 海野十三 『ふしぎ国探検』 青空文庫
煙と焼棒杙の間からお顔を見るような感じでしたから、田舎でゆっくりと出来たらさぞうれしいことでしょう。
— 一九四五年(昭和二十年) 『獄中への手紙』 青空文庫
バラックのスレートの屋根屋根、その彼方に突立つ葉のない巨大なる焼棒杭のような樹木。
— 宮本百合子 『街』 青空文庫
疎らに立ち並んだ五六本の焼棒杭に氷雪がからみついて、樹氷のようにつらつらに光り、立木一本ない不毛の風景に、多少の詩趣をそえるのである。
— 久生十蘭 『海豹島』 青空文庫
獣皮塩蔵所は焼棒杭の上に屋根の残片が載っているばかり、薪置小屋は屋根を差掛けた吹きぬけの板囲いである。
— 久生十蘭 『海豹島』 青空文庫
見おろすと、塩蔵所の焼棒杭が弱々しい冬の陽に染まりながら寂然たる氷の渚に不吉なようすで林立している。
— 久生十蘭 『海豹島』 青空文庫
その中また焼棒杭じゃないのか。
— 永井荷風 『ひかげの花』 青空文庫
家が古いのに、よく乾き切っていたと見え、梁も桁もかたちがなくまっ黒に焼けきった焼棒杭と灰の上に屋根伏せなりに瓦がドカリと落ちつんで、すこし谷のように窪んだところにまっ黒に焦げた吉兵衛の死骸が俯伏せになっている。
— 永代経 『顎十郎捕物帳』 青空文庫