庇髪
ひさしがみ
名詞
標準
classic Japanese women's low pompadour hairstyle
文例 · 用例
男は三十五六の若紳士、女は庇髪の二十二三としか見えざる若づくり、大友は一目見て非常に驚いた。
— 国木田独歩 『恋を恋する人』 青空文庫
あれと云う間に、孱弱い冬子は落葉の上に捻倒されると、お葉は乗し掛って其の庇髪を掴んだ。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
二十三四の女盛りで、艶艶した庇髪の陰から覗く、黒味勝ちな眼に馬鹿に charm があるんだ。
— 南部修太郎 『S中尉の話』 青空文庫
其頃は女子の教育は盛になつて庇髪と海老茶の袴とが段々眼につくやうになつてゐた。
— 田山録弥 『明治文学の概観』 青空文庫
岸に近く、大きな岩の突立つてゐるその一角には、さつきからその女――十八九の女学生風の庇髪に結つた女が、さも大海のどよみに引込まれてでも行きさうに、ぢつと長い間立ち尽してゐるのをかれ等は目にした。
— 田山録弥 『波の音』 青空文庫
上原という男も人の見る前、すこぶるその処置に困ったらしく、いろいろにすかして連れて行こうとしたが、好子はなかなか肯かないで、大きい庇髪をふりくずしながら、自分の泣き顔を男の胸にひしと押し付けて、声をあげて狂いわめいた。
— 岡本綺堂 『探偵夜話』 青空文庫
ハイカラな庇髪、櫛、リボン、洋燈の光線がその半身を照して、一巻の書籍に顔を近く寄せると、言うに言われぬ香水のかおり、肉のかおり、女のかおり――書中の主人公が昔の恋人に「ファースト」を読んで聞かせる段を講釈する時には男の声も烈しく戦えた。
— 田山花袋 『蒲団』 青空文庫
四五年来の女子教育の勃興、女子大学の設立、庇髪、海老茶袴、男と並んで歩くのをはにかむようなものは一人も無くなった。
— 田山花袋 『蒲団』 青空文庫
作例 · 標準
彼女は艶やかな庇髪に大ぶりな簪を差し、涼しげな浴衣姿で夏祭りに現れた。
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庇髪は、前髪の下に詰め物を入れて大きく前へ張り出させる、明治期に流行した髪型だ。
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曾祖母の若い頃の記念写真には、見事な庇髪を完璧に結い上げた誇らしげな姿が残っている。
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