殺刃
さつじん
名詞
標準
文例 · 用例
それよりまえに、あやうく卜斎の殺刃をのがれて、堂の裏に姿をかくしていた鞍馬の竹童は、ほど経てあたりをうかがいながら、そっと、ようすをながめにでた。
— 吉川英治 『神州天馬侠』 青空文庫
芸妓の酌で置炬燵も遊びの味なら、みぞれ雲に撥の冴えを響かせて、名利や殺刃や術策や、修羅風雲の流相をよそに、こうして磧の夜霜から、およそ人間のすること、いたされることを、その圏外から冷静に見ているという身分も、ちょっと贅沢でおつな生きている身の味ではあるまいか。
— 吉川英治 『松のや露八』 青空文庫
いかなる兇暴な殺刃でも、冷々として騒がずに、その呼吸の支度をしている間には、容易に、斬ってかかり得ないものだ。
— 木曾の巻 『鳴門秘帖』 青空文庫
哀雲後宮をつつみ、春雷殿楼をゆるがして、その日なお董承と日ごろ親しい宮官何十人が、みな逆党の与類と号されて、あなたこなたで殺刃をこうむった。
— 臣道の巻 『三国志』 青空文庫