石面
せきめん
名詞
標準
文例 · 用例
「それを掘り当てようため、十人の雛妓が懸命に穿る箸の尖で、あの結構なお庭が一とき菊石面になったわけ」 二人はまるで病気なぞそっちのけで賑かな笑い声を合わせました。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
馬車あまた火山の坑より熔け出でし石を敷きたる街を馳せ交ひて、間※馬のその石面の滑なるがために躓くを見る。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
日は石面を射て白光身を繞り、ここの塔かしこの龕を見めぐらせば、宛然立ちて一の大逵に在るごとし。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
ちょうど天然の変色が、荒れ寂びれた斑を作りながら石面を蝕んでゆくように、いつとはなく、この館を包みはじめた狭霧のようなものがあった。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
したがって、そこから弦の間近に焦点が作られるので、当然壁の石面に熱が起らねばならない。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
そして其石面に何事が刻してあるかを知らむと欲した。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
隆造が踏み止つてゐる一足先に、菊石面の大きな親爺が圧出された儘、わずかに隆造の体に支へられて「ウン/\。
— 牧野信一 『白明』 青空文庫
「ちょいと喜介どん、頼まれて頂戴」 菊石面の四十男、喜介がヒョイと顔を出した。
— 国枝史郎 『銅銭会事変』 青空文庫