氏々
氏々
名詞
標準
文例 · 用例
ある時日の暮れ方に急ぎ歩で一条戻り橋を通りかゝると、橋の下から、「安倍氏々々」と言つて自分の名を呼ぶものがある。
— 大正五(一九一六)年 『茶話』 青空文庫
杉氏々々源女殿を、林蔵の手へ!
— 国枝史郎 『剣侠』 青空文庫
五 丹生と壬生部 数多かった壬生部の氏々・村々も、だんだん村の旧事を忘れていって、御封という字音に結びついてしもうた。
— 折口信夫 『水の女』 青空文庫
氏々を守つた此ほの外来魂を、天子が受けて了はれるのである。
— 折口信夫 『若水の話』 青空文庫
天子は氏々の上に事実上立たれたわけだ。
— 折口信夫 『若水の話』 青空文庫
荒魂・和魂の対立は、天子及び、賀正事を奏する資格を持つ邑君の後身なる氏々の長上者にも見られる。
— 魂と姿との関係 『小栗外伝(餓鬼阿弥蘇生譚の二)』 青空文庫
出雲国造神賀詞なども、其氏の人が、服従を誓ふ為に、唱へ言をすると同時に、其魂が先方へ附くのであるが、其だけでは物足りないので、魂は其食物につく、といふ古い信仰に随つて、食物を捧げ、氏々の祝詞を唱へて、魂を呼ぶ事になつた。
— 折口信夫 『神道に現れた民族論理』 青空文庫
後には変化して、宮廷と自分等の氏々、又は、国々との関係の、初めを説く様になつた。
— 折口信夫 『大嘗祭の本義』 青空文庫