黄濁
おうだく
名詞
標準
文例 · 用例
内閣が変って、金解禁とともに現金通貨に需要が減退して、金融市場は、遊資のために市場金利においてコール貸日歩の急落、国債、市債の抬頭等の変化を見せたが、国内における購買力の減少は、街から街に黄濁の切断面をつくった。
— 吉行エイスケ 『大阪万華鏡』 青空文庫
我好古の眼もて視るときは、是れ猶|古のリリス河にして、其水は蘆荻叢間の黄濁流をなし、敗將マリウスが殘忍なるズルラに追躡せられて身を此岸に濳めしも、昨の猶くぞおもはるゝ。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
み冬の夕かげあかき砂の原|空眼薄らに駱駝来れり蒙古びと駱駝追ひつつ夕べなり早駈けに乗る驢馬の後尻霾らす黄沙の平ただならず日は朱に澱み蒙古犬吼ゆ註、霾るとは遠く沙塵の黄濁するを云ふ。
— 北原白秋 『夢殿』 青空文庫
空も遠くの方も濛濛たる煙に覆われて、四辺は気味悪く黄濁して見えた。
— 田中貢太郎 『死体の匂い』 青空文庫
老婆の前には、黄濁色の顔をしたお爺さんが来て立っていた。
— 田中貢太郎 『地獄の使』 青空文庫
石ノ卷をさること五六里の沖合なれども、海水の黄濁せるは、北上川の流し來れるなり。
— 大町桂月 『金華山』 青空文庫
河は黄濁して水量も多く、なまぐさい河風を朝の街へ吹きつけてゐた。
— 林芙美子 『浮雲』 青空文庫
海のやうに広い、黄濁した河幅いつぱいに、ヒヤシンスに似た、イロンイロンの大群の水草の流れには、富岡は驚いたものだつた。
— 林芙美子 『浮雲』 青空文庫