媚肉
びにく
名詞
標準
enticing flesh (e.g. breasts, buttocks, genitalia)
文例 · 用例
しかし母がよく小言を云うにも拘らず、民子はなお朝の御飯だ昼の御飯だというては僕を呼びにくる。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
呼びにくる度に、急いで這入って来て、本を見せろの筆を借せのと云ってはしばらく遊んでいる。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
おれはかんがへるそのときまるであいつらの眼がおれの手くびにくつついてゐたことをおれの胴體にのぞきめがねを仕掛けた奴らだおれをひつぱたくおれの力は馬車馬のやうにひつぱたく。
— 萩原朔太郎 『蝶を夢む』 青空文庫
そして、後の歎は、前の喜びにくらべまして、幾十層倍だったでございましょう。
— 泉鏡花 『海神別荘』 青空文庫
王さまは、びつくりして喜んで、イドリスには、馬一頭へ銀貨をつめるだけつませて、それをごほうびにくれました。
— 鈴木三重吉 『ダマスカスの賢者』 青空文庫
下宿屋のおかみさんを奥さんと呼ぶのは少し変ですが、前にも言う通り、まったく上品で温和な婦人で、どうもおかみさんとは呼びにくいように感じられるので、どの人もみな申合せたように奥さんと呼び、その娘を伊佐子さんと呼んでいました。
— 岡本綺堂 『白髪鬼』 青空文庫
その巧拙よりも、方面違いの若い博物の教師がそんな事をして見せたものだから、老先生はすっかり驚いて、人の良さそうな大袈裟な身振で讃め上げてくれたのだが、全く、その時、自分は――尊大なるべき俺の自尊心は――何と卑小な喜びにくすぐられたことだろう!
— 中島敦 『狼疾記』 青空文庫
その日、西湖では舟の競争があるので、その見物をかたがけて遊びにくるものが多かった。
— 田中貢太郎 『荷花公主』 青空文庫