焼雲
しょうくも
名詞
標準
文例 · 用例
が、この通り、山ばかり、重り累る、あの、巓を思うにつけて、……夕焼雲が、めらめらと巌に焼込むようにも見える。
— 泉鏡花 『夜叉ヶ池』 青空文庫
雲呑は十銭であるが、叉焼雲呑は二十銭なのである。
— 太宰治 『葉』 青空文庫
美しい夕焼雲が空を流れていた。
— 梶井基次郎 『雪後』 青空文庫
夕焼雲がだんだん死灰に変じていった。
— 梶井基次郎 『雪後』 青空文庫
行一は今日の美しかった夕焼雲を思い浮かべた!
— 梶井基次郎 『雪後』 青空文庫
かみさんの死骸に向って、おい起ねえかよ、起ねえかよというだけよ」 その日の夕べ、西の方に夕焼雲が赤くさして、郭の塔々は金字に輝き、枝川の水も空の色を映して臙脂の色に流れています。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
湯殿の西の窓の細い障子が少し開けてあって、廂へ搦んだ糸瓜の黄な花と青黒い葉と蔓との間から真赤な夕焼雲の端と、鼠色の暮空とが透いて見える。
— 岡本かの子 『かやの生立』 青空文庫
」 姉は、明かにギクリとしたらしかったが、つとめて平静を装って、窓から遙かの夕焼雲の下にそびえ重さなる街をゆびさした。
— 渡辺温 『可哀相な姉』 青空文庫