肺気
はいき
名詞
標準
文例 · 用例
三月九日帰朝早々から風邪を引き、軽い肺気腫の兆候があるというので大事を取って休養していたが、一度快くなって、四月五日の工学大会に顔を出したが、その翌日の六日の早朝から急性肺炎の症状を発して療養効なく九日の夕方に永眠した。
— 寺田寅彦 『工学博士末広恭二君』 青空文庫
私の場合はそれほどでもなかつたけれど、しかし不断の銀座散歩と少しもかはらぬ軽装で出かけたので、三里弱の山坂を登つて霧ヶ峰のヒユッテへ著いた時分には、靴も帽子もびしよ/\でヒユッテの風呂と炬燵で暖まらなかつたら、肺気腫といふ持病のある私は或は肺炎になつて、下山することがむづかしかつたかも知れない。
— 徳田秋聲 『霧ヶ峰から鷲ヶ峰へ』 青空文庫
私の肺気腫は淵源が頗る遠いので、曽て博文館時代にも、熱病を放抛つておいて、到頭ひどいことになつたのだが、別府でもそれに罹つた訳である。
— 徳田秋聲 『佗しい放浪の旅』 青空文庫
若いくせに喘息が嵩じて肺気腫の気味になっていたが、ややともすると誰にも口をきかないで一日でも二日でも頑固に押し黙っているようなことがあった。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
ヨーロッパと東京にこの頃肺気腫の患者が殖えて来る傾向なのでしらべたら、アスファルトの微細な粉がいつか肺を刺戟して、そういう病にかかりやすくなるのだそうです。
— 一九三八年(昭和十三年) 『獄中への手紙』 青空文庫
あばら骨に錐は刺され肺気腫噴射のとめどない咳。
— 高村光太郎 『智恵子抄』 青空文庫
こんなわけで、狸は支那の代表的料理の主役を勤め、第一その肉は人の肺気を強くし、脾胃を補ひ、皮は裘を製し、骨は邪気を除くと本草に見えてゐる。
— 佐藤垢石 『たぬき汁』 青空文庫
こんなわけで、狸は支那の代表的料理の主役を勤め、第一その肉は人の肺気を強くし、脾胃を補い、皮は裘を製し、骨は邪気を除くと本草に見えている。
— 佐藤垢石 『たぬき汁』 青空文庫