差し控え
さしひかえ
名詞
標準
文例 · 用例
傍聴席は人の山を成して、被告および関係者水島友は弁護士、押丁らとともに差し控えて、判官の着席を待てり。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
わたくしは、いかに何んでも女をあまりに勝手に扱い過ぎる言い草だと義憤を起しましたが、また、こういうことを望みに妾奉公を承知する娘もあることですから、抗議を差し控えています。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
協調ということは折れ合うこと、折れ合うということはしたいことも相手に遠慮して差し控えるということです。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
」とうるさがって弾ねのけても、それに怒って差し控えるような手ではありません。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
応対したキルドールの妻は、なじみのない肩肘を張ったやり方に不安を覚え、顧問弁護士の意見に従って署名を差し控えた。
— 富田倫生 『パソコン創世記』 青空文庫
「違法である」と明言するという両市長に対して、そうした陳述を差し控えるよう、外務省は繰り返し求めます。
— 富田倫生 『本の未来』 青空文庫
わずかな身動きも差し控えていたのだ。
— THE RED-HEADED LEAGUE 『赤毛連盟』 青空文庫
その中に寝転んで、草の間から月を見ていると、それあいい気持ですぜ」 私は何かしら寂しい物足りなさを感じながら、何か詩歌の話でもしかけようかと思ったが、差し控えていた。
— 徳田秋声 『蒼白い月』 青空文庫