閭巷
りょこう
名詞
標準
文例 · 用例
漸く閭巷の侠客なるもの起り来りて、幕政を軽侮し、平民社界の保護者となり、圧抑者に対する破壊的手腕(天知子の語を借用す)となりたるも、是が一現象なりけり。
— 北村透谷 『徳川氏時代の平民的理想』 青空文庫
羽賀井一心斎を知つたのも、妲妃のお百を知つたのも、国定忠次を知つたのも、祐天上人を知つたのも、八百屋お七を知つたのも、髪結新三を知つたのも、原田甲斐を知つたのも、佐野次郎左衛門を知つたのも、――閭巷無名の天才の造つた伝説的人物を知つたのは悉くこの貸本屋である。
— 芥川龍之介 『僻見』 青空文庫
久保田君の主人公は常に道徳的薄明りに住する閭巷無名の男女なり。
— 芥川龍之介 『久保田万太郎氏』 青空文庫
蘇東坡は梅直講に知られて其の徒となり得た樂を、『苟も其れ一時の幸を僥し、車騎を從へること數十人、閭巷の小民をして聚觀して之れを賛嘆せしむるも、亦た何を以て此の樂に易ん』と云ひ、更に不怨天、不尤人、蓋優哉游哉、可以卒歳と言つて居る。
— 中島徳藏 『巽軒先生喜壽の祝辭』 青空文庫
(七九)閭巷の人、行を砥ぎ名を立てんと欲する者は、(八〇)青雲の士に附くに非ずんば、惡んぞ能く(名ヲ)後世に施かん哉。
— 伯夷列傳第一 『國譯史記列傳』 青空文庫