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瘟気

瘟気
名詞
1
標準
文例 · 用例
」      七 桜の咲く五月ともなると、梅も桃も一時に咲き、嫩葉の萌え出る木々の梢や、草の蘇える黒土から、咽ぶような瘟気を発散し、寒さに怯えがちの銀子も、何となし脊丈が伸びるような歓びを感ずるのであった。
徳田秋声 縮図 青空文庫
」七 桜の咲く五月ともなると、梅も桃も一時に咲き、嫩葉の萌え出る木々の梢や、草の蘇える黒土から、咽ぶような瘟気を発散し、寒さに怯えがちの銀子も、何となし脊丈が伸びるような歓びを感ずるのであった。
徳田秋声 縮図 青空文庫
土の臭いと油煙と人瘟気とで、呼吸のつまりそうな通りをおりおり涼しい風が流れた。
徳田秋声 足迹 青空文庫
五十九 島田髷に平打をさして、こてこて白粉や紅を塗って、瘟気のする人込みのなかを歩いているお庄の猥らなような顔が、明るいところへ出ると、羞らわしげに赧らんだ。
徳田秋声 足迹 青空文庫
毎夜々々寝苦しいお島は、白い地面の瘟気の夜露に吸取られる頃まで、外へ持出した縁台に涼んでいたが、近所の娘達や若いものも、時々そこに落会った。
徳田秋声 あらくれ 青空文庫
一日込合う暑い客車の瘟気に倦みつかれた二人が、停車場の静かな広場へ吐出されたのは、夜ももう大分遅かった。
徳田秋声 あらくれ 青空文庫
芝生を蹈む足のまはりに、草の仄かな瘟気がして、梅雨の晴れ間の風の肌ざはりが、佗しい感じを杉田に与へた。
徳田秋聲 草いきれ 青空文庫
雪渓を吹き下ろす冷い風に、蒸し暑い谷の瘟気がとれて、久し振りに蘇ったような気持になった。
木暮理太郎 黒部川を遡る 青空文庫