刳る
くる
動詞
標準
文例 · 用例
これは雪が深く、岩壁に喰い入って、そこだけを、虫歯の洞のように、深く刳るので、刳られた崖が、椀を半分欠いたようになって、立っているのがそれだ。
— 小島烏水 『高山の雪』 青空文庫
そうなると両端から包囲するように、中央部までを喰い取って刳るから、一方の外壁を残して一方を欠いた噴火孔のようになる。
— 小島烏水 『高山の雪』 青空文庫
わたくしはなんと云はうにも、聲が出ませんので、默つて弟の咽の創を覗いて見ますと、なんでも右の手に剃刀を持つて、横に笛を切つたが、それでは死に切れなかつたので、其儘剃刀を、刳るやうに深く突つ込んだものと見えます。
— 森鴎外 『高瀬舟』 青空文庫
わたくしはなんと云はうにも、聲が出ませんので、默つて弟の喉の創を覗いて見ますと、なんでも右の手に剃刀を持つて、横に笛を切つたが、それでは死にきれなかつたので、其侭剃刀を、刳るやうに深く突つ込んだものと見えます。
— 森鴎外 『高瀬舟』 青空文庫
わたくしはなんと云はうにも、聲が出ませんので、默つて弟の喉の創を覗いて見ますと、なんでも右の手に剃刀を持つて、横に笛を切つたが、それでは死に切れなかつたので、其儘剃刀を、刳るやうに深く突つ込んだものと見えます。
— 森林太郎 『高瀬舟』 青空文庫
第一爪をはがす鑿と、鑿を敲く槌と、それから爪を削る小刀と、爪を刳る妙なものと、それから……」「それから何があるかい」「それから変なものが、まだいろいろあるんだよ。
— 夏目漱石 『二百十日』 青空文庫
生きていた浄善は、その後に殺されたのですわ」智凡尼はグイと刳るような語気で云った。
— 小栗虫太郎 『夢殿殺人事件』 青空文庫
投げ飛ばされた一郎次は、右の腋の下に刀で刳るような痛みを感じました。
— 菊池寛 『三人兄弟』 青空文庫