纏綿
てんめん
名詞形容詞-たる副詞-と動詞-サ変動詞-自動詞
標準
entanglement
文例 · 用例
焼津 八月十八日小泉八雲 この情緒纏綿たる手紙は、新婚当時の手紙ではない。
— 室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ 『小泉八雲の家庭生活』 青空文庫
やがて凜とした甲聲『殺せ、殺せ、妾を殺して……こ……この人に罪は無い、みんな妾が惡いのだから』婀娜かしい襦袢の袖が縺れて、男の肩に纏綿る。
— 萩原朔太郎 『二十三夜』 青空文庫
何の関係もない色々の工場で製造された種々の物品がさまざまの道を通ってある家の紙屑籠で一度集合した後に、また他の家から来た屑と混合して製紙場の槽から流れ出すまでの径路に、どれほどの複雑な世相が纏綿していたか、こう一枚の浅草紙になってしまった今では再びそれをたどって見るようはなかった。
— 寺田寅彦 『浅草紙』 青空文庫
そうして音楽の場合の一つ一つの音に相応するものがいろいろの物象や感覚の心像、またそれに付帯し纏綿する情緒である。
— 寺田寅彦 『連句雑俎』 青空文庫
だから事件が錯綜纏綿して縺れながら読者をぐいぐい引込んで行くよりも、其地方の年中行事を怠りなく丹念に平叙して行くうちに、作者の拵らえた人物が断続的に活躍すると云った方が適当になって来る。
— ――長塚節著『土』序―― 『『土』に就て』 青空文庫
彼は其処で、いくらかの性慾の好奇心を満足させたばかりで、気持ちに何の纏綿をも持てなかつた。
— 岡本かの子 『老主の一時期』 青空文庫
あの虫のやうな女に、こんな纏綿たる気持が蟠つてゐたのか。
— 岡本かの子 『上田秋成の晩年』 青空文庫
だから事件が錯綜纏綿して縺れながら讀者をぐい/\引込んで行くよりも、其地方の年中行事を怠りなく丹念に平叙して行くうちに、作者の拵らへた人物が斷續的に活躍すると云つた方が適當になつて來る。
— 長塚節 『土』 青空文庫
作例 · 標準
昔の恋人との纏綿たる思い出が、今も彼の心に残っている。
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その小説は、登場人物たちの複雑な人間関係の纏綿を描いている。
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彼女は故郷への纏綿たる思いを抱き続けている。
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