書冊
しょさつ
名詞
標準
book
文例 · 用例
僕の書斎兼寝室にはいると、書棚に多く立ち並んでいる金文字、銀文字の書冊が、一つ一つにその作者や主人公の姿になって現われて来て、入れ代り、立ち代り、僕を責めたりあざけったり、讃めそやしたりする。
— 岩野泡鳴 『耽溺』 青空文庫
眇たる丸善の損害は幾何でも無いが、一万三千余種八万巻の書冊は其数量に於てこそ堂々たる大図書館の十分一将た二十分一にも過ぎないが、其質に於ては大図書館にこそ及ばざれ、尋常普通の文庫に勝るものがあった。
— 内田魯庵 『灰燼十万巻(丸善炎上の記)』 青空文庫
一書肆の災を以て歴史上の大事件に比するは倫を失したもので聊か滑稽に類するかも知れないが、昨日までは金銀五彩の美くしいのを誇った書冊が目のあたりに灰となり泥となってるを見、現に千金を値いする大美術書を足下に踏まえてるを気が付くと、人世無常の感に堪えない。
— 内田魯庵 『灰燼十万巻(丸善炎上の記)』 青空文庫
古今の英雄の詩、美人の歌、聖賢の経典、碩儒の大著、人間の貴い脳漿を迸ばらした十万巻の書冊が一片業火に亡びて焦土となったを知らず顔に、渠等はバッカスの祭りの祝酒に酔うが如くに笑い興じていた。
— 内田魯庵 『灰燼十万巻(丸善炎上の記)』 青空文庫
一国民に心性上の活動あるは、自由党あるが故にあらず、改進党あるが故にあらず、彼等は劇塲に演技する優人なれども、別に書冊の裡に隠れて、彼等の為に台帳を制する作者あるなり。
— 北村透谷 『国民と思想』 青空文庫
煙草、マツチ、薬、紙、ノオト、頼信紙、万年筆、雑誌、小さな書冊、そんなやうな種類のものは、その全部でなくても、ちよつと出るにも洋服の場合は、ポケツト、和服の場合は袂や懐ろに入れておけないことはなかつたけれど、矢張何か入れ物に取纏めておく方が都合が好かつた。
— 徳田秋聲 『折鞄』 青空文庫
青笠に銀の台ある古いらんぷがこの陰惨の大図書室の四周に、はた床上に高々と積みなせるありし世の虚しき錬金の道士、呪文の行者らのこれら怪奇の古書冊を照し出だせば一切は錯落の影を湛へ影は層々の影を生む。
— 富永太郎 『深夜の道士』 青空文庫
書斎などでは多くの書冊が取巻いてゐるから、移り気がして一書に専らなることを得ないが、旅中侶伴となる書物は一二に過ぎないから精読が出来る。
— 市島春城 『読書八境』 青空文庫
作例 · 標準
古い書冊には、貴重な歴史的情報が記されている。
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彼の書斎には、珍しい書冊が数多く収蔵されている。
幻辭AI · gemini-2.5-flash
図書館で埃をかぶった書冊を見つけ、手に取ってみた。
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