毫毛
ごうもう
名詞
標準
文例 · 用例
然し恵心は如何にも謙虚の徳と自信の操との相対的にあった人で、加之毫毛の末までも物事を曖昧にして置くことの嫌いなような性格だったと概解しても差支無いかと考えられる。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫
玉卿便把双手、抱腰忙扶上綉榻解衣之際、見燭火明亮、只見得皓體呈輝並無毫毛點云々。
— 南方熊楠 『蓮の花開く音を聽く事』 青空文庫
生命を毫毛よりも輕んじ、財産を塵芥よりも汚らはしとする時代においては、地震などは問題でない。
— 伊東忠太 『日本建築の發達と地震』 青空文庫
しかれどもいやしくも人民多数の愉快・満足・幸福の公平なる分配あらずんばかの金冕・鉄冠・天蓋・勲章の燦爛たるも、武備の絢美なるも、広大なる植民地も、雄巨なる帝国も、余の眼中にはなお一毫毛にも過ぎざるなり。
— 徳富蘇峰 『将来の日本』 青空文庫
ゆえにもし汝の憲法の恩光はこの茅屋のうちに輝き、汝の立法の美、汝の政略の卓絶なるはこの茅屋のうちに住する人民の感情と境遇、すなわち汝がつねに政府の職分を尽くさんがためにつねにこれを手本として学ばざるべからざるところの人民の感情と境遇に適中するにあらざるよりは、実に一毫毛にも過ぎざるなり。
— 徳富蘇峰 『将来の日本』 青空文庫
彼の満腹の経綸は、ただ幕政復古にあり、彼が満腔の熱血は、ただ幕府政権の一|毫毛をも、他より手を触れしめざらんことにありき。
— 徳富蘇峰 『吉田松陰』 青空文庫
日本民族が頭高くささぐる信条は命を毫毛の軽きに比して君の馬前に討ち死にする「忠君」である。
— 和辻哲郎 『霊的本能主義』 青空文庫