木裏
きうら
名詞
標準
inner side of a wooden board
文例 · 用例
一人は黒の中折帽の鐔を目深に引下し、鼠色の毛糸の衿巻に半面を裹み、黒キャリコの紋付の羽織の下に紀州ネルの下穿高々と尻※して、黒足袋に木裏の雪踏を履き、六分強なる色木の弓の折を杖にしたり。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
そして佐伯はいわばその古障子の破れ穴とでもいうべきうらぶれた日日を送っていたのである。
— 織田作之助 『道』 青空文庫
厳木(きうらぎと読む)は山間の小駅だが、街の両側を小川がさう/\と流れてゐた、古風な淋しいなつかしいところだつた。
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
手に白いハンカチを持っていて下されば好都合ですか……淫売にでも叩きうられるのが関の山かも知れない。
— 林芙美子 『新版 放浪記』 青空文庫
それは、死体となって一度土中にうずめられた人間が、その後になってとつぜん生きかえり、自分で棺桶だけはやぶりはしたものの、重い墓石をもちあげかねて、泣きうらんでいるような、それはそれはいやな声だった。
— 海野十三 『超人間X号』 青空文庫
○春の野に霞たなびきうらがなしこの夕かげにうぐひす鳴くも 〔巻十九・四二九〇〕 大伴家持 天平勝宝五年二月二十三日、大伴家持が興に依って作歌二首の第一である。
— 斎藤茂吉 『万葉秀歌』 青空文庫
霞棚びきうららかに、小鳥が鳴く、ふくろも鳴く。
— 平野長蔵 『尾瀬沼の四季』 青空文庫
それを、いつの日からか落語の『らくだの馬さん』は、「かんかんのきうらいす」 と、間違えた。
— 三遊亭金馬 『江戸前の釣り』 青空文庫
作例 · 標準
板を乾燥させると、年輪の外側の『木表』が凹むように反り、芯に近い『木裏』が盛り上がる性質がある。
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「この棚板、木裏を上にして使ってるね。反りを計算してわざとそうしてるのかな」
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建具を作る際は、見た目の綺麗さだけでなく、木表と木裏の性質を正しく理解して組み合わせるのが職人の知恵だ。
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ウィキペディア
木裏(きうら)は、板材の断面を見て、年輪の中心に近い方。壁、床に使用する際はともに木裏は見えないほうに向けて使用する。無垢材の板は必ず木表側に反る。
出典: 木裏 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0