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熱灰

ねっかい
名詞
1
標準
文例 · 用例
五月の十九日、兄弟の一人が熱灰中に墜ちて大火傷をした揚句、病院で遂に死んでしまつた。
葉山嘉樹 工場の窓より 青空文庫
なんでも赤※びた鉄火鉢に炭火を入れてあって、それで煙管の脂を掃除する針金を焼いたり、また新しい羅宇竹を挿込む前にその端をこの火鉢の熱灰の中にしばらく埋めて柔らげたりするのであった。
寺田寅彦 喫煙四十年 青空文庫
鼈四郎は白木綿で包んだ鼈を生埋めにする熱灰を拵える薪の選み方、熱灰の加減、蒸し焼き上る時間など、慣れた調子で苦もなくしてみせ、蛍雪は出来上ったものを毟って生醤油で食べると近来にない美味であった。
岡本かの子 食魔 青空文庫
しからばこれはセミティク系の言葉かと思っているとまたたとえばスキートの説によればギリシアの eusein(燃える、焦げる)はインドゲルマンの理論上の語根 eus とつながり、アングロサクソンの Yslan(熱灰)の源であり、サンスクリットの語根 Ush(燃える)ともつながるとある。
寺田寅彦 火山の名について 青空文庫
レジナに至りて車を下れば、われ等の踐める所の脚下は、早く是れ熔巖熱灰のために埋沒せられしエルコラノの古市なり。
IMPROVISATOREN 即興詩人 青空文庫
熱灰の下より一体の屍の半焦爛れたるが見出されぬ。
尾崎紅葉 金色夜叉 青空文庫
これらはみな数年前、大正二三年の頃の焼岳大噴火の時にその熱灰を被ったものであったのだ。
若山牧水 みなかみ紀行 青空文庫
私が何か言うと、「起きたかな、お目ざましをあぎょう」と言って母は竈の熱灰の中に埋めておいた朝鮮芋を取りだして、その皮をむいて持って来てくれた。
堺利彦 私の母 青空文庫