とっくの昔
とっくのむかし
表現名詞
標準
a long, long time ago
文例 · 用例
預金はとっくの昔に使いつくし、田畑は殆ど借金の抵当に入っていた。
— 黒島傳治 『老夫婦』 青空文庫
私たちの内にある人格完成の電球と、外にあって私たちの人格を完成させようとする電気の導線とは実はとっくの昔から設備が出来ておるのであります。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
もしそうでなかったら、とっくの昔に病気になり、死んでしまっていたでしょう。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
もう……暑さも寒さも感じなくなって、白昼の幽霊のようにうなだれたままフラフラと向うの方へ行くばかりで、それを立ち止らせようという意志さえも、とっくの昔に彼の肉体から消え失せていた。
— 夢野久作 『童貞』 青空文庫
敏感な私の神経はこの令嬢が昨日、電話で私に笑いかけた声の主である事を、とっくの昔に直覚していたのであったが、しかも、そうした私の直覚と、眼の前にしおらしく伏し眼になって羞恥んでいる美少女の姿とは、どう考えても一緒にならないのであった。
— 夢野久作 『鉄鎚』 青空文庫
でも、とっくの昔に死にましたよ。
— 一、アラジンとふしぎなランプ 『アラビヤンナイト』 青空文庫
私たちは、何でものろってやるわ、何でも、神様や仏様なんぞ、とっくの昔に、のろって、私はそばに寄せ付けないようにしてるわ。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
君等のようなズブの素人に見えるくらいの奴なら、モウとっくの昔に揚げられてブランコ往生しとるてや」「フ――ム。
— 夢野久作 『少女地獄』 青空文庫