針立て
はりたて
名詞
標準
文例 · 用例
おむらは膝のあたりの絲屑を拂ひ、襤褸を風呂敷に包んで、針箱や針立てと一緒に押入れのなかにしまつた。
— 島木健作 『續生活の探求』 青空文庫
ほんの一二の珍しい例外、たとえば、 いともかしこき五位の針立て松の葉に宮司の門は傾きてとか、食ふ柿も又くふ柿も皆|渋し 秋のけしきのはたけ見る客というような口合に近いものを除いては、他の大部分はすべて想像の鎖もしくは感動のメロディとも名づくべきものにさしかえた。
— 柳田国男 『木綿以前の事』 青空文庫
つまり「朝の歌」にてほゞ方針立つ。
— 中原中也 『我が詩観』 青空文庫
私の肉体は盛り出した暑さに茹るにつれ、心はひたすら、あのうねる樹幹の鬱蒼の下に粗い歯朶の清涼な葉が針立っている幻影に浸り入っていた。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫
五六|日經つて勘次は針立と針箱とを買つて來た。
— 長塚節 『土』 青空文庫
が、そこに滞在して、敵の在処を探る内に、家中の侍の家へ出入する女の針立の世間話から、兵衛は一度広島へ来て後、妹壻の知るべがある予州松山へ密々に旅立ったと云う事がわかった。
— 芥川龍之介 『或敵打の話』 青空文庫
針立沢へも追手をかけろ」数右衛門は激しい言葉でこう云った。
— 山本周五郎 『柘榴』 青空文庫