泣き寝
なきね
名詞
標準
文例 · 用例
内心は、マア坊なんかに、お隣りの越後こそ実に「オルレアンの少女」の作者なのだという事を知らせて、驚ろかしてやりたくて、うずうずしていたのだが、越後から「何も言うな」と口どめされているし、まあ、仕方なく、ゆうべは泣き寝入りの形だったのだ。
— 太宰治 『パンドラの匣』 青空文庫
しかるに、お前はいつも泣き寝入りだ。
— 太宰治 『花吹雪』 青空文庫
そうして、ひとりで、ぶつぶつ言いながら泣き寝入りだ。
— 太宰治 『花吹雪』 青空文庫
アメリカ兵は、やっつけられて泣き寝入りに怺えるロシア人や支那人のような奴ではない。
— 黒島傳治 『氷河』 青空文庫
それで泣き寝入りにしていれば何事も無かったんですが、藤吉にも金の要ることがある。
— むらさき鯉 『半七捕物帳』 青空文庫
「本当よ、私たちそんな無法な目にあって、そのまま泣き寝入りなんか出来ないわ。
— 岡本かの子 『越年』 青空文庫
大急で帰宅って土間にどしりと俵を下した音に、泣き寝入に寝入っていたお源は眼を覚したが声を出なかった。
— 国木田独歩 『竹の木戸』 青空文庫
源氏は二条の院へ帰って泣き寝に一日を暮らした。
— 若紫 『源氏物語』 青空文庫