酒飯
しゅはん
名詞
標準
文例 · 用例
後は「へえー」と平伏して直ぐに座を立ち、信徒が帰依の高僧を供養する心構えで酒飯を饗応すべく支度にかかりました。
— 岡本かの子 『茶屋知らず物語』 青空文庫
われ答へて、自然|固より師とすべし、只だ書册も亦未だ棄つべからず、譬へば酒飯の並びに廢すべからざるが如しといひしに、フランチエスカの君は我言を是なりとし給ひぬ。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
陸の浚が畢ると、二番位演奏があって、その上で酒飯が出た。
— 森鴎外 『渋江抽斎』 青空文庫
香以は今芸人等と対等の交際をする身の上になって、祝儀と云うものは出さぬが、これに饗する酒飯の価は聊の売文銭の能く償う所ではなかった。
— 森鴎外 『細木香以』 青空文庫
英人のホームを見馴れた眼には一家の夫人ともあろうものが酒飯の給仕をしたり、普通の侍婢と見えない婦人が正夫人と同住している日本の家庭が不思議でもありまた不愉快で堪らなかったそうだ。
— ――新文学の曙光―― 『四十年前』 青空文庫
」 と、手を拍つと、あらわれた二人の小姓に、「客仁を、座敷に通し、酒飯の馳走をいたすように――まだ聴きたいこともある」 二人の小姓が、闇太郎を庭口から、離れめいた、小間の方へ、無理に導くのだ。
— 三上於菟吉 『雪之丞変化』 青空文庫
」「夕陽|窓ニアリ自鳴鐘五時ヲ報ズルヤ必酒飯ヲ供ス。
— 永井荷風 『下谷叢話』 青空文庫
――そしてまた、酒飯に移り、やがて帰り去ったのは、ついさっきで、まだ街の屋根を夕陽が赤く染めていたころだった――とある。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫