酔い痴れる
よいしれる
動詞
標準
文例 · 用例
彼女は、二つの世界の境界を、はっきりとまたぎ越えて、やがて訪れるであろう恋愛の世界に、身も世もなく酔い痴れるのだった。
— 小栗虫太郎 『紅毛傾城』 青空文庫
……しかも一方にWは、決して成功の美酒に酔い痴れるような単純な男ではなかった。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
見せかけのむごたらしさに眩まされるようなこともなく、客観的な残虐さに酔い痴れるようなこともない。
— 久生十蘭 『新西遊記』 青空文庫
私が彼の手を握って、ごめんね、というと、彼の目はやっぱり特別の翳の動きは見られないのに、私はただ大きな安堵、生きているというそのこと自体の自覚のようなひろびろとした落着きに酔い痴れることができた。
— 坂口安吾 『青鬼の褌を洗う女』 青空文庫
茶の湯の方式など全然知らない代りには、猥りに酔い痴れることをのみ知り、孤独の家居にいて、床の間などというものに一顧を与えたこともない。
— 坂口安吾 『日本文化私観』 青空文庫
こんなときこそ、茶屋酒にでも酔い痴れることができたら、と思ったが、彼にはそれもできなかった。
— 山本周五郎 『竹柏記』 青空文庫