妖雲
よううん
名詞
標準
ominous cloud
文例 · 用例
T「我が慈悲道得の刀を 受けよと言うより早く」 と話す武蔵「スラリとばかりT「両刀抜き放ちて 飛びかかり」 身振り手振りも面白くT「この時妖雲 谷を覆い 山は轟々 と鳴り響く」S=辻堂 猛々と立ちこめた白煙。
— 山中貞雄 『武蔵旅日記』 青空文庫
そのような恥かしくも甘い甘い小市民の生活が、何をかくそう、私にもむりなくできそうな気がして来て、俗的なるものの純粋度、という緑青畑の妖雲論者にとっては頗るふさわしからぬ題目について思いめぐらし、眼は深田久弥のお宅の灯を、あれか、これか、とのんきに捜し需めていた。
— 太宰治 『狂言の神』 青空文庫
が、妖雲が、天日を掩はんとするとき、却つて天日の光が、冴え渡るやうに、和気清麻呂が、宇佐八幡から、「我が国家|開闢より以来、君臣の分定まりぬ。
— 菊池寛 『二千六百年史抄』 青空文庫
黎明は突如として捲き起これる妖雲によって、暫くは閉ざされようとも、吾々の前途の希望は依然として彼処に係っている。
— 河合栄治郎 『二・二六事件に就て』 青空文庫
(中略)今や戦闘の妖雲は全欧を蔽えり。
— 穂積陳重 『法窓夜話』 青空文庫
顔ぐらゐは見たかも知れぬが、膝つき合せて語り合ふのは始めてゞ、温和な狸と律義な策師と暗々裡に相許したから、遠く関ヶ原へつゞく妖雲のひとひらがこのとき生れてしまつた。
— 坂口安吾 『二流の人』 青空文庫
冷い戦争という地球をおおう妖雲をとりのぞけば、軍備を背負った日本の姿は殺人強盗的であろう。
— 坂口安吾 『もう軍備はいらない』 青空文庫
こういう特別仕掛けの住宅を見せつけられた上に、なんとなく妖雲ただよう天下の形勢というものを横目でにらんでいると、イヤでも何か買いだめて次の戦争に備えを立てないとオクレをとって取り返しのつかないことになりそうな心細い思いになるのだ。
— 坂口安吾 『明日は天気になれ』 青空文庫
作例 · 標準
遠くの山に妖雲が立ち込め、不吉な予感がした。
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城の上空に妖雲が渦巻き、これから何かが起こるのではないかと人々は恐れた。
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まるで魔女の呪いのように、空には妖雲が広がり始めた。
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