柴栗
しばぐり
名詞
標準
文例 · 用例
お寂しゅうござりましょう」 柴栗の焼いたのを盆に盛って、おげんは行燈の前にその白い顔を見せた。
— 旅絵師 『半七捕物帳』 青空文庫
「兄さんは……」「兄も父と一緒に出ました」 おげんは茶をすすめて、更に柴栗を剥いてくれた。
— 旅絵師 『半七捕物帳』 青空文庫
「柴栗さん」というアダ名の張りきり助役さんが、声を張りあげてまっくらなホームにくりこんでくる乗客を整理している。
— 海野十三 『海野十三敗戦日記』 青空文庫
うまいのはそれこそ野山の灌木林などにある實の小さい柴栗がうまいが、うちにあるのは今のところみな丹波栗である。
— 若山牧水 『たべものの木』 青空文庫
五分苅頭の面桶顔、柴栗を押つけた様な鼻と鼻にかゝる声が、昔の耽溺を語って居る。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
この村には「柴栗」と云つて、実の小さな山栗の木があつて、誰でも勝手にひろつていゝのですが、今、村では大人の男の人が少いので、どこの家でも田圃の仕事が忙しく、栗ひろひなんぞしてゐられないのです。
— 槇本楠郎 『栗ひろひ週間』 青空文庫
どうしてこのような話が出来たかというと、この一種の柴栗が他のものよりはずっと色が黒くて、火に焦げたように見えるからでありますが、京都の南の方のある在所では、やはり同じ話があって、これは天武天皇の御事蹟だというのであります。
— 柳田國男 『日本の伝説』 青空文庫
一の鳥居へ石段をおりるときふと柴栗の落ちてるのをみて 栗がなったな と思って上を見た。
— 中勘助 『島守』 青空文庫