御玉
おたま
名詞
標準
文例 · 用例
さらずば、さらずば、我が方に賜はらんとて甲斐なき御玉章に勿躰なき筆をや染め給ふ。
— 樋口一葉 『軒もる月』 青空文庫
蠢々として御玉杓子のごとく動いていたものは突然とこの底のない坑のうちに落ちて、浮世の表面から闇の裡に消えてしまった。
— 夏目漱石 『趣味の遺伝』 青空文庫
一坪に足らぬ腐れた水でも御玉杓子のうじょうじょ湧く所は怖しい。
— 夏目漱石 『虞美人草』 青空文庫
いわんや高等なる文明の御玉杓子を苦もなくひり出す東京が怖しいのは無論の事である。
— 夏目漱石 『虞美人草』 青空文庫
御玉串を供えて、白絹に被われる小さい可愛らしい棺の前にぬかずいた時今までの涙はもう止められない勢を持って流れ落ちた。
— 宮本百合子 『悲しめる心』 青空文庫
祭官の祭詞を読む間も御玉串を供える時にも喪主になった私はいろいろの事を誰よりも一番先にした。
— 宮本百合子 『悲しめる心』 青空文庫
毎年十二月、君々御玉改めと言ふ事があつて、三平等の大阿母しられの玉かわら(巫女のつける勾玉)を調べたよし、由来記に見えてゐる。
— 折口信夫 『琉球の宗教』 青空文庫
星巌は御玉ヶ池にあること正に十二年。
— 永井荷風 『下谷叢話』 青空文庫