窓框
まどかまち
名詞
標準
文例 · 用例
窓際=如輪木の胴に赤銅の箍を嵌めた酒筒から、大小二本の蔓の根が窓框を捲いて延び上り、緊密な濃緑色の葉立ちの陰に、練絹へルビーを包んだやうな小花を綴るびなんかつら。
— 岡本かの子 『花は勁し』 青空文庫
おやじ、この小僧を俺の家へ置いて行け」 発明乞食の父親は眼を放心したように瞠っていましたが、やがて雑嚢の中から子供の巾着を取り出し窓框の上へ置き、億劫そうに一つお辞儀をすると立去りました。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
眼の前の建築群と建築群との狭い間から斜の光線に掬い上げられ花園のスカートを着けた賭博場の白い建物や、大西洋の水面の切端の遠望が、小田島の向うホテル五階の窓框の高さに止る。
— 岡本かの子 『ドーヴィル物語』 青空文庫
そして、その時クリヴォフ夫人が、もし無我夢中の裡に窓框に片手を掛けなかったなら、あるいは、そのうちに矢筈が萎び鏃が抜けるかして、結局直下三丈の地上で粉砕されたかもしれなかったのである。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
法水は指先を神経的に動かして、窓框を叩きながら、「そうだとも。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
その窓框に両手をかけて音もなくひらりと中に跳り込んで、改めて室の中を見渡した。
— 夢野久作 『暗黒公使』 青空文庫
広いチャペルの左右には幾つかの長方形の窓框を按排して、更に太い線に纏めた大きな窓がある。
— 島崎藤村 『桜の実の熟する時』 青空文庫
とにかく二十分ほど、がらんとした空室の中へ靴のまま上がって、窓框に腰をかけて待っているうちに神村は出てゆきました。
— 平林初之輔 『アパートの殺人』 青空文庫