幻辞.com

訴人

そにん
名詞動詞-サ変
1
標準
a suitor
文例 · 用例
太郎左衛門、T「お上では昨夜逃げた者をきつい御詮議」T「わしが奉行所へ訴人すれば」T「伊吉もお前さんも後ろへ手が廻るぜ」 その時、T「ついでにお前さんもなァ」 と云う声に振り返ると右門と伝六です。
山中貞雄 右門捕物帖 三十番手柄 帯解け仏法 青空文庫
」「その方が心持が可い、命を取ったんだと、そんなにせずともの事を、私が訴人したんだから、怨みがあれば、こっちへ取付くかも分らずさ。
泉鏡花 春昼後刻 青空文庫
私は、このどろぼうの風采に就いては、なんにも知らないということになっているのであるから、まさか、私がかれの訴人の一人である、などということは、絶対に有り得ないのである。
太宰治 春の盗賊 青空文庫
けンどもが、何も旦那様あ、訴人をしろという、いいつけはしなさらねえだから、吾知らねえで、押通しやさ。
泉鏡花 琵琶伝 青空文庫
同じ伏見の船宿の水六の亭主などは少し怪しい者が泊ればすぐ訴人したが、登勢はおいごと刺せと叫んだあの声のような美しい声がありきたりの大人の口から出るものかと、泊った浪人が路銀に困っているときけば三十石の船代はとらず、何かの足しにとひそかに紙に包んで渡すこともあった。
織田作之助 青空文庫
金に眼のくれた百姓達は訴人となって出た。
田中貢太郎 八人みさきの話 青空文庫
「めっそうもない、比江山の女房小供が隠れておるなどとは、存じもよらんことでござる」「云うな、比江山の女房小供六人が、此処へ入ったところを、植田の者が見ていて、訴人に出たのじゃ、それでもおらんと云うか」 討手の頭は住職を叱りつけた。
田中貢太郎 八人みさきの話 青空文庫
「この者が、訴人があると申しております」 役人はその前に平伏しながら己の背後におる僧侶に指をさした。
田中貢太郎 切支丹転び 青空文庫