鳶人足
とびにんそく
名詞
標準
文例 · 用例
」 声にふり返って見ながめると、本堂の横の庭先で、いかさま年若いひとりの僧が、鳶人足らしい三、四人のいなせな男どもにさしずしながら、しきりと矢来杭を結わせているのが目にはいりました。
— 開運女人地蔵 『右門捕物帖』 青空文庫
火事が出そうなこんな晩にゃ、火消しや鳶人足はうちをあけずに寝ず番で起きているから、おおかた金助ももう外出から家へけえっているにちげえねえっていってるんだ」「な、なるほどね。
— 身代わり花嫁 『右門捕物帖』 青空文庫
河岸っぷちのは鳶人足や沖仲仕が行くところなんだから、がらがわりいんですよ。
— 朱彫りの花嫁 『右門捕物帖』 青空文庫
鳶人足、沖仲仕など勇みはだの者が多いといったのは事実であるとみえて、そのうち三人の背から腕には、倶利伽羅紋々の勇ましい彫りものが見えました。
— 朱彫りの花嫁 『右門捕物帖』 青空文庫
鳶人足がカン/\板囲を打付けている最中であった。
— 内田魯庵 『灰燼十万巻(丸善炎上の記)』 青空文庫
つまり鳶人足なんですが、今ではごたぶんに洩れず半分は失業してると同じことで……」 杉本はそう答えて、次の子供のシャツを脱ぐ手だすけにかかった。
— 本庄陸男 『白い壁』 青空文庫
結城縞の着付に八反の三尺帯を鉄火に締めた、二十歳程のいなせな男――それはお春に三つましの兄人で、十七の時から鳶人足の仲間にいたが此の頃船乗りの知辺を頼って、千石船の舟子となり、明日にも江戸から遠州灘を乗り切って大阪|港へ下る事となり、暫しの別れを告げるために家へ帰ったものでありました。
— 三上於兎吉 『艶容万年若衆』 青空文庫
あたいのこの箱を奪ろうっていうんだよ」 と聞くと、そこらにいた町の人々、気の早い鳶人足や、お店者などが、ワイワイ与吉の前に立ちふさがって、「こいつ、ふてえ野郎だ。
— こけ猿の巻 『丹下左膳』 青空文庫