池底
ちてい
名詞
標準
文例 · 用例
池底紅鯉睡 池底 紅鯉眠り、嶺上白雲滋 嶺上白雲滋し。
— 河上肇 『閉戸閑詠』 青空文庫
余はこのたびの出陣に当り、余が修学の禅林の池底に秘かに埋蔵して出発すべき秘密の誓文の文案をねっていたのである。
— ――越後守安吾将軍の奮戦記―― 『決戦川中島 上杉謙信の巻』 青空文庫
ただこの頃既にこの文字が少からず用いられていた事は、黒川春村翁の「池底叢書要目」中に引用された貞治四年の「師茂記」にもあるので察せられる。
— 喜田貞吉 『「エタ」名義考』 青空文庫
これに連れて葉面に彫られた葉脈の線もまたその生気を必然にして、池底の水に今まだ盛んに思いを走らせているかのようだ。
— 北大路魯山人 『古器観道楽』 青空文庫
帰朝以来千駄木町のお宅に参上したこともあります、蛟竜池底を出でて淵に躍る前後は度々賞讚と渇仰の言を呈したこともあります。
— 夏目夫人にまゐらす 『漱石さんのロンドンにおけるエピソード』 青空文庫
民間最初の水族館浅草瓢箪池掘下げの珍獲物 浅草公園六区の瓢箪池を、現在のように改修のため、明治二十年ごろ池底を掘り下げて行くと、意外にも赤ニシや法螺の貝が大小数十個現われた。
— 山本笑月 『明治世相百話』 青空文庫
後に盗難品は庭の池底から現われる。
— 江戸川乱歩 『探偵小説の「謎」』 青空文庫
巨大なる海蛇は、クルリクルリと全身を波うたせて、尻尾を掴まれまいと、或は浮び、或は沈み、水面から池底へ、池底から水面へと、美しき肉塊の魚紋を描いて、なまめかしくも、のたうち廻る。
— 江戸川乱歩 『地獄風景』 青空文庫