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投足

とうそく
名詞
1
標準
文例 · 用例
割烹を兼ねた宿屋で、三層の高楼は、林泉の上に聳え、御手洗川の源、湧玉池に枕しているから、下の座敷からは、一投足の労で、口をそそぎ手が洗える。
小島烏水 不尽の高根 青空文庫
黄村先生は、そのような不粋な私をお茶に招待して、私のぶざまな一挙手一投足をここぞとばかり嘲笑し、かつは叱咤し、かつは教訓する所存なのかも知れない。
太宰治 不審庵 青空文庫
一升徳利の転がったを枕にして、投足の片膝組みの仰向けで、酒の酔を陰に沈めて、天井を睨んでいたのが、むっくり、がばと起きると、どたりと凭掛ったまま、窓下の机をハタと打った。
泉鏡花 薄紅梅 青空文庫
でっぷりと太って大きく、一挙手一投足のろくさく、武芸はきらい、色情はさかん、いぎたなく横坐りに坐って、何を思い出しているのか時々、にやりと笑ったりして、いやらしいったら無い子であった。
太宰治 新釈諸国噺 青空文庫
こんな場合は、目前の、間抜けた弟の一挙手一投足、ことごとくが気にいらなくなってしまうのである。
太宰治 一燈 青空文庫
あれほどの儉約家がと部下ひとしく眼を見はつたが、かれ、思へらく、おれは日本を代表する將軍である、おれの一擧手一投足に依り、外國人、かならず、日本の評價をこそするにちがひない、と。
太宰治 人物に就いて 青空文庫
わたくしは男の相当な手答えに残忍な愛感が湧きながら、しかし葛岡の一挙手一投足には注意深く眼を離しません。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
この法悦の刹那を、絶えず自分の心身上に喚起し続けるのが仏教の修業法で、かくして日々の生活の一挙手、一投足が、自分のためにもなり、他人のためにもなる光明と歓喜にあふれたものになって来るのであります。
岡本かの子 仏教人生読本 青空文庫