寝処
ねところ
名詞
標準
文例 · 用例
「桜町の殿は最早寝処に入り給ひし頃か。
— 樋口一葉 『軒もる月』 青空文庫
前の晩に店立てをくったんで、寝処がない。
— 泉鏡花 『式部小路』 青空文庫
神今食・新嘗祭などに先立つて、坂枕や御衾を具へて、神座の上に寝処を設ける式を、皇祖が主上と相共に贄をおあがりになるのだと言ふ風に見る人が多い。
— 魂と姿との関係 『小栗外伝(餓鬼阿弥蘇生譚の二)』 青空文庫
柱や梁や壁茅・椽・牀・寝処などの動揺・破損のないことを、家のあるじの健康のしるしとする様な発想を採る所から、更に両方同時に述べる数主並叙法が発生した。
— 折口信夫 『叙景詩の発生』 青空文庫
他の小鳥が寝処を捜す時刻になってから、この二色の鳥ばかりが際限もなく鳴いて来る故に、憂ある者は殊に耳を欹てざるを得なかったのである。
— 野鳥雑記 『野草雑記・野鳥雑記』 青空文庫
新室と言ひでふ、苫を編み替へ、竪薦を吊り易へ、常は生きみ靈の止る處なる寢處を掃ふ位で新室になるのであらう。
— まれびとの意義 『國文學の發生(第三稿)』 青空文庫
一門の頼、天下の望みを繋ぐ御身なれば、さすがの横紙裂りける入道も心を痛め、此日|朝まだき西八條より遙々の見舞に、内府も暫く寢處を出でて對面あり、半」は「ひへん+向」、読みは「とき」、第3水準1-85-25、44-2」計り經て還り去りしが、鬼の樣なる入道も稍々|涙含みてぞ見えにける。
— 高山樗牛 『瀧口入道』 青空文庫
一門の頼、天下の望みを繋ぐ御身なれば、さすがの横紙裂りける入道も心を痛め、此日|朝まだき西八條より遙々の見舞に、内府も暫く寢處を出でて對面あり、半|涙含みてぞ見えにける。
— 高山樗牛 『瀧口入道』 青空文庫