幻辞.com

返し歌

かえしうた
名詞
1
標準
文例 · 用例
出鱈目な調子をつけて繰り返し繰り返し歌つてゐたのだ。
太宰治 ダス・ゲマイネ 青空文庫
甲府へ行つて来て、二、三日、流石に私はぼんやりして、仕事する気も起らず、机のまへに坐つて、とりとめのない楽書をしながら、バットを七箱も八箱も吸ひ、また寝ころんで、金剛石も磨かずば、といふ唱歌を、繰り返し繰り返し歌つてみたりしてゐるばかりで、小説は、一枚も書きすすめることができなかつた。
太宰治 富嶽百景 青空文庫
出鱈目な調子をつけて繰り返し繰り返し歌っていたのだ。
太宰治 ダス・ゲマイネ 青空文庫
それでこれはたとえて言わば簡単な唱歌の同じ旋律を繰り返し繰り返し歌うようなものであって、同じものが繰り返さるることによって生ずる一種の味はなくはないであろうが、しかしこういうものばかりが続いてはおそらく倦怠を招くに相違ない。
寺田寅彦 連句雑俎 青空文庫
くり返しくり返し歌う声がした。
国枝史郎 鵞湖仙人 青空文庫
海鬼灯は、木の葉の上に捉つて、情は他人のためならず御恩は必ず返しますと、繰り返し繰り返し歌ひながら、水の流につれて川下の方へ流れてゆきました。
野口雨情 少女と海鬼灯 青空文庫
先日も、久須麻呂の名の歌が屆き、自分の方でも、娘に代つて返し歌を作つて遣した。
釋迢空 死者の書 青空文庫
紫微内相からは、嫡子久須麻呂の為、自分の家の第一嬢子をくれとせがまれて居て、先日も久須麻呂の名の歌が届き、自分の方でも、娘に代つて返し歌を作つて遣はした。
――初稿版―― 死者の書 青空文庫