慌忙
慌忙
名詞
標準
文例 · 用例
慌忙しいような夕飯が済むと、笹村は何やら持ち出して家を出た。
— 徳田秋声 『黴』 青空文庫
先生の仕事のもう揚っている笹村は、慌忙しいような心持で、自分の創作に執りかかっていた筆をおいて、時々先生の様子を見に行った。
— 徳田秋声 『黴』 青空文庫
晴代は年が越せるか何うかもわからないやうな不安と慌忙しさの中に、春を迎へる用意をしてゐた。
— 徳田秋声 『のらもの』 青空文庫
お俊は両親の紳士を伴へるを見るより、慌忙く起ちて来れるが、顔好くはあらねど愛嬌深く、いと善く父に肖たり。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
宮は慌忙く火鉢に取付きつつ、目を挙げて書棚に飾れる時計を見たり。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
「外でも無いがの、宮の事だ、宮を嫁に遣らうかと思つて」 見るに堪へざる貫一の驚愕をば、せめて乱さんと彼は慌忙く語を次ぎぬ。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
慌忙く母親に※けり。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
それまで大事を取つてをりながら、かう一も二も無く奇麗にお謝絶を受けては、私実に面目無くて……余り悔うございますわ」 慌忙くハンカチイフを取りて、片手に恨泣の目元を掩へり。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫