月輪
げつりん異読 がつりん・がちりん
名詞
標準
(full) moon
文例 · 用例
」 錦の帯を解いた様な、媚めかしい草の上、雨のあとの薄霞、山の裾に靉靆く中に一張の紫大きさ月輪の如く、はた菫の花束に似たるあり。
— 泉鏡花 『春昼後刻』 青空文庫
目も放さず、早瀬がそれを凝と視める内に、濁ったようなその灯影が、二三度ゆらゆらと動いて、やがて礫した波が、水の面に月輪を纏めた風情に、白やかな婦の顔がそこを覗いた。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
大マルズック星(木星)が天界の牧羊者(オリオン)の境を犯せば神々の怒が降るのも、月輪の上部に蝕が現れればフモオル人が禍を蒙るのも、皆、古書に文字として誌されてあればこそじゃ。
— 中島敦 『文字禍』 青空文庫
乗円 大恩教王の御教は日月輪の如く明かれども、波羅密多の岸は遠く、鈍根痴愚の我等風情に求道の道は中々の難渋、それ故に互に諫め励まし、過あれば戒め懲らし、よしや歩は遅からうとも、いやさ精進懈怠はあるまいと、誓ひし言葉を覚えて居やるか。
— 木下杢太郎 『南蛮寺門前』 青空文庫
母と子母は子に乳房与ふと、月輪の光を額にかざすなり。
— 北原白秋 『海豹と雲』 青空文庫
初は不透明であった光が、だん/\透明になって行くと、それが止め度もなく、明るくなって行って、日輪月輪の光を搗き交ぜたよりも、もっと強い光の中におかんは、ふら/\と立って居る自分を見|出したのである。
— 菊池寛 『極楽』 青空文庫
ちと古風でござりまするが、それがお不向きでござりましたら、こちらが真巻きにぬり重籐、お隣が日輪、月輪、はずれが節巻きに村重籐。
— 七化け役者 『右門捕物帖』 青空文庫
幾軒かの家が一組をなして、毎月輪番にお座を催すのである。
— 島木健作 『生活の探求』 青空文庫
作例 · 標準
満月が夜空に輝き、美しい月輪が浮かんでいた。
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月輪の周りに薄い雲がかかり、幻想的な景色だった。
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禅宗の絵画では、悟りの象徴として月輪が描かれることが多い。
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