機中
きちゅう
名詞
標準
文例 · 用例
一九八一(昭和五十六)年秋、サンフランシスコから成田に向かう機中で西和彦が次世代のパーソナルコンピューターの可能性を吹きまくった相手は、その稲盛和夫だった。
— 富田倫生 『パソコン創世記』 青空文庫
〈もしもインテルの8086で作ったとしたら、果たしてどこまでのことがやれるだろう〉 成田へと向かう帰りの機中で具体的なマシンのイメージを描きはじめた後藤は、そのときふと浮かび上がってきたまったく新しい角度からの発想に、駆け抜けるように背筋をなぶられた。
— 富田倫生 『パソコン創世記』 青空文庫
「PC―9801にCP/M―86とMS―DOSを用意すれば、OSへの移行は自然の成り行きとして達成できるだろう」 問い詰めればきっとそう答えていたはずのさっきまでの自分を、成田へと向かう機中で『CP/M入門』を凝視したままの浜田は、すさまじいスピードで太平洋上に置き去りにしていった。
— 富田倫生 『パソコン創世記』 青空文庫
『CP/M入門』を前に、機中でほぼ一瞬にそこまで論理を詰めていった浜田は、脳裏に浮かび上がってきた一枚の図を求めてページを気ぜわしくめくった。
— 富田倫生 『パソコン創世記』 青空文庫
そうすると、当然問題が、ダンネベルグ事件に一括されて、それには、否定すべからざる暗影を持つ押鐘津多子が、しかも、動機中の動機とも云うべきものを引っさげて、登場して来るのだった。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
小早川秀包、毛利元康、筑紫広門等五千の軍を右廻して明軍の左側面を衝かしめ、小丸山に待機中の立花宗茂三千の軍を左廻りして右側面を襲わしめた。
— 菊池寛 『碧蹄館の戦』 青空文庫
午後五時頃普将ブリュッヘルは待機中の残余部隊をリーニー、セント・アルマント村に進め仏軍の左翼を包囲せんと企図し猛烈なる攻撃を加えてきた。
— 石原莞爾 『戦争史大観』 青空文庫
関西に散らばって待機中だった同志が、前後して下ってきたのを、江戸に暗躍していた人々が途中まで迎いに出て、この二、三日、あとになり前になり、警戒にこころを砕きながら三々五々、やっと、江戸へ一|伸しのここまで来たところだった――。
— 林不忘 『口笛を吹く武士』 青空文庫