贋物
にせもの
名詞
標準
文例 · 用例
詩といへば、余りに贋物を掴まされすぎた経験からといふのでもあるか。
— 中原中也 『宮沢賢治全集』 青空文庫
君はこないだ、贋物じゃないかなんて言って、けちを附けてたじゃないか。
— 太宰治 『不審庵』 青空文庫
春信の贋物をかいたという事で評判のよくない人ではあるが、随筆を読んでみると色々面白い事が書いてある。
— 寺田寅彦 『断片(2)』 青空文庫
床の間を見ると贋物の不折の軸が懸かつて居る、その五言の漢詩の結句が「枕を拂つて長夜に憐む」といふのであつたのは偶然である。
— 寺田寅彦 『伊香保』 青空文庫
で、繪畫や筆蹟などにはしばしば殆ど眞に近い贋物があり得るが、文章の贋物などは絶對に不可能と言つていい。
— 南部修太郎 『氣質と文章』 青空文庫
今度名古屋へ来た連中もそうじゃ、贋物ではなかろうから、何も宗山に稽古をしてもらえとは言わぬけれど、鰻の他に、鯛がある、味を知って帰れば可いに。
— 泉鏡花 『歌行燈』 青空文庫
雪舟ではないかと思っているのですが、或いは贋物かも知れません。
— 太宰治 『新釈諸国噺』 青空文庫
贋物であっても、出来は悪くない色紙のようですから、五十両と吹かけてみて下さい。
— 太宰治 『新釈諸国噺』 青空文庫