関八
せきはち
名詞
標準
文例 · 用例
関八州が急に狭くなったような気がして帰って来たが、東京駅から駒込までの馴れた道筋はその割に存外遠いような気もした。
— 寺田寅彦 『箱根熱海バス紀行』 青空文庫
津軽の人、竹内運平氏の青森県通史に拠れば、「この安東一族の騒乱は、引いて関八州の騒動となり、所謂北条九代記の『是ぞ天地の命の革むべき危機の初め』となつてやがては元弘の変となり、建武の中興となつた。
— 太宰治 『津軽』 青空文庫
自分は便利のためにこれをここに引用する必要を感ずる――武蔵野は俗にいう関八州の平野でもない。
— 国木田独歩 『武蔵野』 青空文庫
筑波の影が低く遥かなるを見ると我々は関八州の一隅に武蔵野が呼吸している意味を感ずる。
— 国木田独歩 『武蔵野』 青空文庫
この山頂からは関八州の地景が望まれると言います。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
当時関八州を横行して、変幻出没、渚の網に陽炎の影も留めず、名のみ御曹子万綱と、音に聞えた大盗あり。
— 泉鏡花 『わか紫』 青空文庫
それは関八州横領の威に誇っていた北条氏であった。
— 幸田露伴 『蒲生氏郷』 青空文庫
歌舞伎座の狂言は近松の「関八州繋馬」を桜痴居士が改作した「相馬平氏二代譚」を一番目に据えて、そのほかに「道成寺」と「雁金文七」という列べ方であった。
— 岡本綺堂 『明治劇談 ランプの下にて』 青空文庫