訳官
やくかん
名詞
標準
文例 · 用例
で、とんだ災難で、早瀬は参謀本部の訳官も辞した、と新聞には体裁よく出してあるが、考えて御覧なさい。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
それは、後の自然主義運動に於いて作家としての生長を示した徳田秋声の、この時の作品「通訳官」を見ても、また、小栗風葉の「決死兵」、広津柳浪の「天下一品」、泉鏡花の「外国軍事通信員」等を見ても、その水っぽさと、空想でこしらえあげたあとはかくすべくもない。
— 黒島傳治 『明治の戦争文学』 青空文庫
父|大誦は訳官になって深見氏を称した。
— 森鴎外 『渋江抽斎』 青空文庫
一日薩摩屋敷の訳官能勢甚十郎と云ふものが榛軒に豚を贈つた。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
能書9・20(夕) むかし長崎の訳官に、深見新右衛門といふ男が居た。
— 大正六(一九一七)年 『茶話』 青空文庫
大体私が通訳官であつた。
— 牧野信一 『文学的自叙伝』 青空文庫
が、結局古川の斡旋で、古川部下の飜訳官として官報局に出仕したのが明治二十二年の夏であって、これから以後の数年は生活の保障に漸く安心して暫らく官途に韜晦し、文壇からは全く縁を絶って読書に没頭する事が出来た。
— 内田魯庵 『二葉亭四迷の一生』 青空文庫
日露戦争に参加して抜群の功績を挙げた露語通訳官の多くは二葉亭の薫陶を受けたものであった。
— 内田魯庵 『二葉亭四迷の一生』 青空文庫