霽
霽
名詞
標準
文例 · 用例
霧がすっきりと霽れて、前には笠ヶ岳の大尾根が、赭っちゃけた紅殻色の膚をあらわし、小笠から大笠へと兀々とした瘤が、その肩へ隆起している、遠くの空に、加賀の白山は、いつもの冷たい藍色に冴えて、雪の縞が、むしろ植物性の白い色をおもわせる。
— 小島烏水 『谷より峰へ峰より谷へ』 青空文庫
富士山は日本では三千七百七十八米突という抜群の標高を有しているが、太平洋方面は黒潮が流れるほどの暖かさで、かつ冬季は霽れて雨量が少なく、山腹以上の傾斜が急峻であるから、これも氷河を作る資格がない。
— 小島烏水 『高山の雪』 青空文庫
暗黒はなお霽れやらず光明はいまだ照り亘らない。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫
廿七日、辛亥、霽、寅剋大地震、今朝日に光陰無し、其色赤黄なり。
— 太宰治 『右大臣実朝』 青空文庫
廿二日、辛未、霽、禅師公登壇受戒の為に、定暁僧都を相伴ひて上洛せしめ給ふ、将軍家より、扈従の侍五人を差遣はさる、是御猶子たるに依りてなり。
— 太宰治 『右大臣実朝』 青空文庫
十五日、丙戌、天霽、千葉介成胤、法師一人を生虜りて、相州に進ず、是叛逆の輩の中使なり、相州即ち此子細を上啓せらる。
— 太宰治 『右大臣実朝』 青空文庫
六日、丁未、天霽、弾正大弼仲章朝臣の使者、京都より到来す、去月廿七日閑院遷幸、今夜即ち造営の賞を行はる、将軍家正二位に叙し給ふ、仍つて其除書を送り進ず。
— 太宰治 『右大臣実朝』 青空文庫
廿九日、庚辰、霽、相模次郎朝時主、駿河国より参上す、将軍家の御気色並びに厳閤の義絶にて、彼国に籠居するの処、御用心の間、飛脚を以て之を召さると云々。
— 太宰治 『右大臣実朝』 青空文庫