取り代
とりしろ
名詞
標準
portion
文例 · 用例
相島は火を見る事が好きな男で、蝋燭の火が一番綺麗だとか、油煙の立つランプ程癇癪の起るものはないとか云つて、此の町に來てから四度ランプを取り代へた。
— 有島武郎 『半日』 青空文庫
ファニーは貴女が最初の薔薇と取り代えてくれるに違いないと思い込んでいたらしいのに、貴女はまたそれには気がつかないらしい。
— 有島武郎 『フランセスの顔』 青空文庫
可いか、其に代へやうと言ふからには、蛍と星、塵と山、露一滴と、大海の潮ほど、抜群に勝れた立優つたもので無いからには、何を又物好きに美女を木像と取り代へやう。
— 泉鏡太郎 『神鑿』 青空文庫
」彼女はわたしにとき/″\取り代えて若い芸妓の雛妓を愛人としてつけて呉れる。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
団長などは外出中に無断で室を取り代えられましたのでね。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
おくみも襷をかけてバケツの水を取り代へに下りた。
— 鈴木三重吉 『桑の実』 青空文庫
翌る日シヤツを取り代へる時に、附添うてゐるものゝ目についたので知つたのだけれど、シヤツの片方の袖口にべた/″\附いてゐると言つた血は、この時にはまだ生々しくにじんでゐたのだつたかも解らない。
— 鈴木三重吉 『赤い鳥』 青空文庫
ああ、蝋燭はすでに三度も取り代へられ、飲料の茶碗には小さき羽虫の死骸浮び、若き婦人の熱心に変りはなけれど、その眼には、はてしなき議論の後の疲れあり。
— 石川啄木 『呼子と口笛』 青空文庫
作例 · 標準
金属加工において、最終的な仕上げ精度を高めるために、あらかじめ表面を削るための「取り代」を数ミリ残しておく。
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「この寸法だと削り取り代が足りなくて、きれいな鏡面に仕上げるのが難しいですね」と職人に言われた。
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余計な部分を最初からギリギリまで削ってしまうと、失敗した時に修正するための取り代がなくなってしまう。
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