八幡知らず
やわたしらず
名詞
標準
labyrinth
文例 · 用例
さうして、到々私の腕を振りもぎつて、八幡知らずのやうな露地に迷ひ込んで了つたのだつた。
— 牧野信一 『妄想患者』 青空文庫
が、一切の前提を破壊してしまったならドコまで行っても思索は極まりなく、結局は出口のない八幡知らずへ踏込んだと同じく、一つ処をドウドウ廻りするより外はなくなる。
— 内田魯庵 『二葉亭追録』 青空文庫
切り明けがあるので夫を頼りに崖の上を横に搦みながら二町程行くと、太い根曲り竹の藪の中に放り込まれて、後へも先へも出られなくなる、まるで八幡知らずへ入ったようだ。
— 木暮理太郎 『黒部川奥の山旅』 青空文庫
「そこは大江戸の有難さで、ここに小さくなって住んでいる分には、八幡知らずの中にいるようなものでしょうよ」 三人の町人達は、声を合せて面白そうに笑うのでした。
— 敵討果てて 『銭形平次捕物控』 青空文庫
家は元鳥越町の、八幡知らずの路地の奧、全くの獨り者、シミのやうに生きて居る、不思議な存在でした。
— 掏られた遺書 『錢形平次捕物控』 青空文庫
一萬八千坪の御藥園の中、茯苓、肉桂、枳殼、山査子、呉茱萸、川※、知母、人蔘、茴香、天門冬、芥子、イモント、フナハラ、ジキタリス――幾百千種とも數知れぬ藥草の繁る中を、八幡知らずにさ迷ひ歩いた末、僅かの灯を見付けて、眞黒な建物の中へスルリと滑り込んでしまひました。
— 金色の處女 『錢形平次捕物控』 青空文庫
一万八千坪の御薬園の中、茯苓、肉桂、枳穀、山査子、呉茱萸、川※、知母、人参、茴香、天門冬、芥子、イモント、フナハラ、ジキタリス――幾百千種とも数知れぬ薬草の繁る中を、八幡知らずにさ迷い歩いた末、わずかの灯を見付けて、真っ黒な建物の中へスルリと滑り込んでしまいました。
— 金色の処女 『銭形平次捕物控』 青空文庫
ほとんど昼なお暗い、八幡知らずの藪のようになって、さしものお婆さんも少しひるんでいる。
— 恐山の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
作例 · 標準
この森はまるで八幡知らずだ。
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複雑に入り組んだ路地は八幡知らずのようだった。
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初めての場所で、八幡知らずになってしまった。
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