恐
おそれ
名詞
標準
文例 · 用例
予は自ら慰めてこんなことをいうものの、子規子没後は虚子、碧梧桐と歌われているその虚子君の口から、子規子が迷惑なるべくやに思わるといわるることを予ははなはだ口惜しく思うのである、親友に敬意を欠くの恐れがあるからあまり理屈はいうまい、ただ生前先生から聞いた二、三の話を紹介して、世人の判断に任せておく。
— 伊藤左千夫 『竹乃里人』 青空文庫
深刻に出水の苦痛を恐れて居る予は、八月という月の此天候に恐怖を感ぜずには居られなかったのである。
— 伊藤左千夫 『大雨の前日』 青空文庫
しかしながら歌の正岡君を未だ成功せぬと見る眼をもって他の歌人を見たらどうでしょう、『万葉集』以後恐らく一人の成功した歌人はないでしょう。
— 伊藤左千夫 『子規と和歌』 青空文庫
今の家庭説とて、皆悪いことばかりを書いてあると云うのではない、本末を顛倒し、選択を誤るの害を恐れるのである。
— 伊藤左千夫 『家庭小言』 青空文庫
危き橋をようように這いわたりて終に下り着くに滝のしぶき一面に雨の如く足もとより逆に吹きあぐるさますさまじく恐ろしく暫くも彳みかねつ。
— 伊藤左千夫 『滝見の旅』 青空文庫
ただ静かに滑らかで、人ひとり殺した恐ろしい水とも見えない。
— 伊藤左千夫 『奈々子』 青空文庫
幼い彼は命取らるる水とも知らず、地平と等しい水ゆえ深いとも知らずに、はいる瞬間までも笑ましき顔、愛くるしい眼に、疑いも恐れもなかったろう。
— 伊藤左千夫 『奈々子』 青空文庫
夜が明けたらこの子はどうなるかと、恐る恐る考えた。
— 伊藤左千夫 『奈々子』 青空文庫