蛇尾
だび
名詞
標準
文例 · 用例
だんまりで演れば丁々発止の龍闘虎争の息使いも渋い写実で凄かったろうに、下手に鳴り物沢山入れて、野暮な駄洒落の啖呵に風流を気取ったばかしに、龍頭蛇尾に終ってしまったとは、いかにもオッチョコチョイめいて、思えばはしたない。
— 織田作之助 『猿飛佐助』 青空文庫
いわば、竜頭蛇尾、たとえば千メートルの競争だったら、最初の二百メートルはむちゃくちゃに力を出しきって、あとはへこたれてしまうといった調子。
— 織田作之助 『アド・バルーン』 青空文庫
妾をして常にこの心を失わざらしめば、不束ながらも大きなる過失は、なかりしならんに、志薄く行い弱くして、竜頭蛇尾に終りたること、わが身ながら腑甲斐なくて、口惜しさの限り知られず。
— 福田英子 『妾の半生涯』 青空文庫
「こういうの、竜頭蛇尾っていうんだぜ。
— 第1章 ローラーコースター、1966年 『45回転の夏』 青空文庫
バランスよく配分すれば、「竜頭蛇尾」などという、古典的な非難は受けなかったはずだ。
— 第1章 ローラーコースター、1966年 『45回転の夏』 青空文庫
小説や芝居ならば、浅井親子の捕物や、お角さんの行く末や、いろいろの面白い場面があるのでしょうが、実録は竜頭蛇尾とでも申しましょうか、その結末がはっきりしないのが残念でございます。
— 岡本綺堂 『怪談一夜草紙』 青空文庫
やはり沈着な口調で「その船頭でせっかくの催しも竜頭蛇尾に終りました。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫
この弾丸が一たび時機を得て学界に爆発するなら、――もし爆発して見給え――爆発するだろう――」迷亭はここに至って迷亭一流と自称する形容詞が思うように出て来ないので俗に云う竜頭蛇尾の感に多少ひるんで見えたがたちまち「活動切手などは何千万枚あったって粉な微塵になってしまうさ。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫