応出
おうで
名詞
標準
文例 · 用例
隣り桟敷にはある大会社の支配人格で、慶応出の秀才だと評判をとつたことのある老紳士と、その部下の若い男とが座つてゐた。
— 大正十四(一九二五)年 『茶話』 青空文庫
その中には一時大阪で盛んに人気を湧かして弦斎以後の全盛を極めた渡辺霞亭の旧名朝霞や、不幸にして早世して今では殆んど忘れられた慶応出身の小説家|井上笠園や、達摩の蒐集家として奇名隠れなかった理学士西芳菲山人の名が見える。
— ――尾崎紅葉―― 『硯友社の勃興と道程』 青空文庫
すると急に彼は空腹を感ずるばかりでなく、中々田中が帰りそうもないので、一応出て行こうと思って寝呆けた顔を突き出し帳場の方を窺ってみた。
— 金史良 『天馬』 青空文庫
漁猟を追う先住の土民にあっては、ただ単に、乾いたひろい場所でしかなかったこの地点も、「路相ひらき、中土より充実|仕り候うへ、四方へ出張候形勢に相成り、東西南北とも自在に救応出来、左右前後控制仕り候ほどの形勢」を持っているものと認められた。
— 本庄陸男 『石狩川』 青空文庫
阿賀妻がしみじみと話しかけるのに、彼はすなおに反応出来ないのだ。
— 本庄陸男 『石狩川』 青空文庫
一切は官によって左右されつつ、しかし、市街は市街らしく一応出来あがっていた。
— 本庄陸男 『石狩川』 青空文庫
この人は慶応出で岸本から見るとずっと年少ではあったが、何かにつけて彼の力になってくれた。
— 島崎藤村 『新生』 青空文庫
いろいろと世話になって来たその知人のこと、慶応出の留学生のこと、その他停車場まで見送ってくれた人達のこと、何かにつけて彼は巴里の方のことを思い出した。
— 島崎藤村 『新生』 青空文庫